その笑顔を永遠に

「いそろくさん、私、癌になっちゃたんです。
だから遺影を撮って欲しい。」
って、笑顔で冗談ぽく頼まれた。

「了解!いつでも撮る。」
と言いながら、半年が過ぎた。
「治療が終わって退院できました。
この頭、カツラやねん、よくできてるでしょ。」
って、半年の苦労を笑い飛ばした彼女。

その笑顔が強がりに思えた瞬間、
ちゃんと遺影を撮ってあげないとと思う気持ちが込み上げた。
死を感じた彼女から出た遺影という言葉・・・

休日の午後、明石の海岸にて
彼女の表情を追い続けた。

後日、作品をまとめたフォトブックを彼女に渡した。

自分の写真を見た瞬間、彼女の目に涙があふれた。
その涙の奥に、僕には想像もつかない
過酷な施術や抗がん剤治療を乗り越えてきた彼女の本音が
聞こえたような気がした。
その笑顔 永遠に
2020-10-11 04:00
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コメント(2)
自分の写真を見て涙が出るほど感激したというのは、心から満足したからだと思います。若い方だから一層今の自分を残しておきたいと願ったのでしょうね。その思いをかなえてあげられて本当に良かったです。
by JUNKO (2020-10-11 21:31)
JUNKOさん
あたたかいコメントありがとうございます^^
自分が撮った写真が、人から喜んでもらえること、
本当に写真続けてて良かったと思います。
by いそろく (2020-10-12 19:45)