母から年賀状用に、自分と孫二人が写ってる写真を撮って欲しいと頼まれた。
えー、もー、めんどくさいなと思いながら、なにげなく撮った一枚の写真。
パソコンのモニターで確認すると、そこには、孫二人を強く抱きしめる母の手が写っていた。
家庭をかえりみない父のそばで、しっかり僕と妹を育ててくれた強い手、やさしい手だと思い、
ただ呆然とモニターを眺め続けた。
撮影の時に自分が意識することなく、写った母の手。
現実をしっかり写し込む写真の恐ろしさを知った。
演出された目を引く写真より、演出の無い、しっかり真実を写し込んだ
素朴な写真を撮りたいと再認識した日だった。